代表挨拶
ありがとう!の力を、よりたくさんの方へ届けたい
これまで私は、埼玉の久喜にて宅地建物の売買、賃貸斡斡旋などを通じ、一人一人のお客様の笑顔と「ありがとう」に支えられてまいりました。50年以上に渡り、地元密着の会社として、医療施設、学校法人、介護施設、スポーツ施設など、地域の皆様に貢献できることは何かを模索し、紆余曲折の中でも皆様の「ありがとう」が支えになり、自分もまたその感謝 をより多くの方に届けたいという思いを強くしております。
誠農社を立ち上げるきっかけとなったのは、明治から続く地主様が広大な農地と大きな屋敷を手離さざるを得ない時代になったというご相談からでした。
その時、頭に浮かんだのは、子どもの頃に小学校の正門の横に薪を背負い本を読む二宮金次郎(尊徳)の銅像でした。尊徳は川の氾濫で流され没落した自分の生家 の立て直しのために勉強し、荒地を他人の何倍もの時間と労力をかけて開墾し、捨てられた種や稲から、菜種や野菜、米を作り、見事、生家をもう一度、復興、再生させたのです。
そして、その周囲の貧しい人々にも、その知恵を授け、開墾地には報酬が与えられるという情報を伝えたり、天候の予想をして植えつける作物の種類を変えたりと、皆で一緒に豊かさを享受する生き方をしたのでした。それが、二宮尊徳の唱える「至誠・勤労・分度・推譲」という言葉 に表れています。
ご相談いただいた地主様の抱える問題は、ここだけの問題ではなく、農業で生業を立てている人々、地方自治体、日本国内あら ゆるところで起きている問題です。農業をされている方の多くは後継者もなく、相続も大変で生き残れないという現状に、土地というものを生業にしている私は、「自分たちだけの問題ではない。農業だけの問題でもない。」と、目をつむることができませんでした。
農地を貸すだけでは、土地のレンタルでしかありません。土地を土台にした幸せ作りとして、なにが考えられるであろうか?
今 までの私の仕事であった、一人一人の幸せ、家族の幸せから、その手をつなぎあわせて、多くの人に土地を土台とした交流の場を創り、地域だけではなく都心から来る人の手もつなぎあわせて、土地を土台とした自分たちの新しいコミュニケーションを生み出したいという願いから「誠農社」が生れたのです。
農業という産業があっても、土地があっても、人が集まるところにしか、笑顔と「ありがとう」は生まれません。また、人を幸せにするには共に成長するための学 びが必至です。一人一人の手をつなぎ合わせながら笑顔を多くの人にお届けするために、誠農社の成長を一緒に応援していただきたいと思います。
著書 : 「農ある暮らし」創生のため農家になった不動産社長 誠農社の仕事と人びと (暮らしの仕事Books)